食品包装フィルムの二大ブランドは、「サランラップ」と「Newクレラップ」です。二つで約80%のシェアということです。
山口県で明治時代に創業した百年を超える老舗の会社さんが、今年めでたく周年を迎えます。そこで、会社の代名詞となっているロングセラー商品をアレンジした周年企画商品を発売することになりました。これに関連して、ロングセラー商品について調べてみました。
医薬品とか食品ではロングセラー商品が結構あります。私が生まれた1960年に発売開始された商品は、結構なロングセラー商品と言えます。食品では丸美屋の「のりたま」が該当します。
この年に、相次いで発売開始されたのが、旭化成(当時は旭ダウ)の「サランラップ」とクレハ(当時は呉羽化学工業)の「クレラップ」です。クレラップの方がサランラップより半年ほど早くに発売されています。
クレラップは「Newクレラップ」と商標が変わりましたが、「サランラップ」とともに60年以上のロングセラー商品です。この2商品が日本の市場から消えることは、とても考えられません。どこにロングセラーとなる秘訣があるのか考えて、参考にしたいと思います。
サランラップやクレラップに使われるポリ塩化ビニリデン(PVDC)という素材は、水分もガスも通さないという非常に優れた性能を持っています。
私の勤めていた会社は粉末材料メーカーですから、吸湿やガスでの酸化を防ぐためにPVDCを使った保管用資材や包装材料をたくさん使っていました。(※PVDCには私たちの用途ではちょっと困った性質もあるのですが、食品用では関係がありません)
PVDCを代替できる素材はありませんでしたから、サランラップやクレラップがロングセラーである最大の要因は、この材料の特性ですね。
ところでサランラップの「サラン」ですが、食品用に使えることに気付いた2人の技術者の妻、サラ (Sarah) とアン (Ann) の名前にちなんで「サラン」名付けられたそうです。
ちょっと、微笑ましいです。
この続きはまた明日。