リトルの法則で混雑時間帯を学ぶ

関西万博は今週末の日曜日(4月13日)に開幕します。

 

開幕間近となって関西万博のニュースが増えてきました。先週末の4月5日(土)・6日(日)に抽選に当たった人を招待してのテストランがおこなわれました。各日の入場者数は4万6千人と4万8千人です。関西万博の計画では、1日の平均入場者数が15.2万人で、ピークには1日に22万人が来場するとなっています。

 

EXPO2025 関西万博
EXPO2025 関西万博

テストランは想定入場者数の1/3以下の人数です。しかも、地元の自治体が予め応募している人たちなので、好い客層の人たちです。

 

それでも、混雑が課題であったそうです。会場の入場ゲートを通過するまでに渋滞したということもあります。

会場内のパビリオンに入るにも長い待ち時間が発生したということです。海外パビリオンで建設が完了しておらず、開場できなかったものがあるという事情もあります。

 

混雑や渋滞は困りものです。入場券にはいろいろな種類がありますが、大人の1日券は7500円ですから、そこそこな価格です。長い時間列に並ぶなら、ちょっと高いです。

 

安定な系において長時間平均化した顧客数 Lは、長時間平均化した到着率λと、長時間平均化した顧客が系に費やす時間 W の積に等しい【L=λ×W】という、リトルの法則があります。

 

例えば、1時間に1万人が来場して、会場内に10時間滞留するとしたら

L=1(万人/時間)×10(時間)=10万人

となり、会場内に10万人がいる計算です。

 

リトルの法則に拠ると、関西万博で混雑を緩和する方法の第一は、λ(到着率)を下げる、つまり関西万博に行く人を減らすこと。そして、第二の方法は、W(滞在時間)を小さくする、要するにさっさと帰ってもらうこと。になります。

 

関西万博に行く人を減らすというのは、目標入場者数2820万人を撤回して、現時点の前売り券販売分+αくらいに抑えることが考えられます。また、リアルタイムに混雑情報を流して、行く気にならなくするのも効果がありそうです。

 

もし、入場者数を抑えられないなら、混雑を緩和するには関西万博会場内での滞留時間を短くするしかありません。

体験型滞在型の施設がたくさん紹介されているので、どうしても滞在時間が長時間化しそうです。滞在時間を短縮できるような、短時間で十分に満足して、早く帰りたくなるような施設をつくる必要があります。これも、なかなか難しいことです。