国会で、石破総理が通勤手当について「報酬?そ、そ、そうですかね…」 と応えたそうです。
通勤手当は非課税所得に該当して、基本的には税金が掛かりません。
しかし、労働基準法では賃金となって社会保険料が掛かります。労働基準法では「賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう」となっています。

通勤手当が労働の対償(見返り)の意味を有しているか否か、これを逆に言えば通勤手当は完全な実費弁償なのかということです。
ちなみに、労働基準法では「労働協約・就業規則・労働契約等によりあらかじめ支給条件が明確であるものは賃金に該当する」となっています。慶弔金なども、ルールに従って使用者が労働者に支払えば賃金です。
通勤手当に代えて、通勤定期券を支給してもそれが労働協約に定めてあれば賃金です。
労働基準法ができた昭和22年以降、一貫して通勤手当は賃金です。もちろん、いつでも見直しすることは悪くはありません。
ちょっと、通勤手当の思い出を書きます。
20年ほど前ですが、東京の関連会社に赴任しました。
それまでは地方の工場勤務ですから、自分を含めて公共交通機関を使って通勤する人は少なかったです。東京で初めて満員電車で通勤するようになりました。また、従業員も男性が9割で女性は少なかったのですが、東京の会社は3割くらいが女性です。
赴任して割に早い時期に若い女性社員のグループから「通勤手当を見直して欲しい」という話がありました。
要約すると、女性社員は通勤に時間を掛けられないので、会社に近いところに住まいを確保している。当然に家賃は割高になるが、通勤手当は安い。男性社員は遠いところに住まいがあって安い家賃で通勤手当は高い。
そのうえ、急な仕事があっても、男性社員は通勤に時間がかかると、さっさと帰ってしまう。残業や早出してフォローを押しつけられるのは私たちだ。そもそも、あんな遠くに住んでいるのは仕事のためではないじゃないか・・・。
もっともな話で、とても困った覚えがあります。
確かに、通勤手当は労働の対償ではないかもしれませんが、完全な実費弁償かというとそれも違うような気がします。