お米の値段が高騰して「生きていけない」という怨嗟の声が国中に溢れている・・わけないですよね?
マスコミの報道や政治家の発言で、純真な人の心が煽られているような気がします。我々の世代では米の価格を国が統制していた時代を知っています。その後、自主流通米が登場し、米の輸入が解禁となり、2004年から米の流通は自由化され、価格が需給バランスで決まるようになりました。米の値段はそもそも時系列で変動しますし、産地やブランド間でも2倍近くの差があります。

米の消費は毎年右肩下がりで減ってきました。一人当たりのお米の消費量では、1962年(昭和37年)に約324gだったものが、60年経った2022年は139gです。
食用米の生産は米の需要が減少するにつれて減ってきました。1967年の1445万トンをピークにして、現在は半分以下の700万トンになっています。
米農家がどんどん減ったことに、地球温暖化などの影響もあって米の作況が悪くなりました。この数年は米の生産量が需要を下回っていたようです。
この結果として米の価格が上がってはいるのですが、国民生活への影響は限定的です。スーパーでコシヒカリ5㎏の値段が、昨年は2000円だったが、今は4000円だとワイドショーで言っていますが、生死に関わる問題ではないでしょう。
平均的な日本人(1日139gの米を消費する)で考えれば、1日に56円かかっていた米代が2倍になって112円(56円増えた)になったということです。
米の価格は、これからも上がったり下がったりします。あまり一喜一憂しないで、鷹揚に構えていてもよいように思います。
ちなみに、2024年の家計調査(2人以上の世帯)の穀類への支出金額は合計で89,067円でした。うち、米が27,196円(30%)、パンが34,609円(39%)、麺類21,214円(24%)、その他※6,047円(7%)です。
少しばかり高くなっても、しっかりお米を食べましょう。そうすれば、お米の値段は早く下がります。