観光農園ビジネスは復興途上、集客の3要素とは何か

コロナ禍で減少した観光農園ですが、最盛期にまで戻るのかは不透明です。

 

6次産業総合統計によると、日本の観光農園事業の直近ピーク売上高は2018年度で403.3億円でした。コロナ禍の2020年度に293.2億円となり、ピークから27%減少しました。統計で示されているのは2022年度までですが、年間売上高は360.0億円(ピークから10%減)まで戻しています。

 

山口県の観光農園
山口県の観光農園

山口県の観光農園売上高の直近ピークは2015年度の9.94億円で、その後は減少傾向でした。コロナ禍前の2019年度が8.04億円で、コロナ禍の2020年度に7.05億円まで減少し、2022年度は7.79億円まで戻しています。

 

6次産業化として観光農園事業に取り組もうとしている農業者は多いのですが、なかなか苦戦しているのが現状です。

 

コロナ禍は終息しましたが、観光農園を利用するのは、大半が家族連れ、それも小さな子どものいる家族です。

少子化、核家族化が進んで、おじいちゃん・おばあちゃんが孫を連れて来る機会そのものが減っています。

 

それだけに、魅力的な観光農園として選ばれるようにしなければなりません。その重要な要素は①駐車場、②トイレ、③周辺観光施設との連携のようです。

 

観光農園の来場者はほぼクルマで来ます。安全にクルマをとめられる駐車場がある農園は希少価値があります。来場者には子どもと女性が必ず含まれますから、快適に利用できるトイレがあれば差別化できます。

さらに、観光農園で消費する時間はそれほど長くはなりません。周辺のちょっとした観光施設との連携があると集客に有利です。観光施設といっても、遊具のある公園とか広場でも構いませんし、寺や神社の境内でも大丈夫です。

 

地球温暖化で作物の生育という根本的な課題も顕在化していますが、観光農園ビジネスで利益を上げる方法を模索していきたいところです。果物を含めた物価高の定着が、観光農園には追い風になるようにも思います。