トランプ氏が学ぶとしたら織田信長かな「楽市楽座」

トランプ大統領の関税政策が物議を醸しています。

 

既に、中国からの全ての輸入品に追加関税(10%)を発動させました。さらに税率を引き上げることを検討しているようです。カナダとメキシコからの輸入品への追加関税(25%)もあきらめてはいないようです。自動車・半導体・鉄鋼・アルミニウムへの追加関税(25%)にも言及しています。市場は混乱し、世界経済とりわけ米国経済がマイナス成長に転落することが懸念されています。

 

楽市 (NHK)
楽市 (NHK)

トランプ大統領と同じように破天荒なイメージがある織田信長です。

アメリカという国がまだない、500年も前の人物ですが、日本に大きな経済変革をもたらしました。

 

織田信長の経済政策は主に3つです。「楽市・楽座」「関の廃止」「街道拡幅」。

 

楽市・楽座の樂は自由に意味です。「座」を廃止して、市場を解放し、誰でも自由に無税で販売できるという政策です。楽市・楽座をおこなった信長に本拠である岐阜城下には、多くの商人が集まり、安価に販売しました。信長は税収を得る代わりに、必要な物資を安価に入手できたわけです。

 

当時の関は、人の往来を監視するものではなく、その土地の豪族や寺社などの支配者が関銭という人の通行料や物の関税を取るためのものです。戦国の時代には各所に関ができたので、物流には大きなコストがかかりました。信長は関を廃止させて、関税がかからない物流体制をつくりました。

 

街道拡幅では、街道の規格を統一して本街道は幅3間(6m)の直線として両側に並木を植えました。街道の川には橋を架けて、とりわけ兵の移動を迅速におこなえるようにしました。信長の兵の多くは傭兵で、信玄や謙信のような自国の農民兵と比べて弱いというのが定説です。しかし、信長の兵は年中自由にどこへでも移動できたことで、戦略的優位に立てたわけです。