カカオ豆といえば”ガーナ”が連想されるのでアフリカ原産かと思っていたら違いました。
カカオ豆の原産地はメキシコ南部からアマゾン川流域、中南米のジャングル地帯です。高温多湿で、一年中気温が下がらないことがカカオ豆が自生できる条件です。
カカオ豆を栽培していたのはマヤやアステカなどメソアメリカの人たちだけといわれます。ココアのような飲料の原料として栽培されていたようです。【諸説あります】

大航海時代になり、スペイン人がカカオ豆の存在を知ります。スペイン人は現地の冷たくて淡白なココア飲料に、砂糖やバニラ、シナモンを入れて温めて飲むことを考案します。
このスペイン風ココア飲料がスペイン本国やスペイン帝国の植民地で流行します。そして。ヨーロッパの多くの人たちがココアを飲むようになります。
しかし、中南米のジャングルだけ栽培されているカカオ豆の生産量は少なく、ココアは非常に高価です。
そこで、ヨーロッパ人はカカオの木を、アジアやアフリカに持っていって植えてみます。
スペイン人がフィリピンに、オランダ人がインドネシアやスリランカに、そしてポルトガル人がアフリカへと持ち込みます。アフリカに渡ったカカオの木は、ガーナからコートジボワールで広まって、現在の一大産地へとつながります。
ガーナでカカオ豆の栽培が本格化したのは19世紀末(1890年頃)のことですが、よほど栽培に適していたようで、1911年には世界最大の産地になっています。コートジボワールでのカカオ豆の栽培は第二次大戦終了後のことです。
近年では、カカオ豆の世界生産の40%がコートジボワール、15%がガーナになっています。