農林中金が1.5兆円の赤字を計上しましたが、大丈夫なんですか?という質問。
今年度の最終的な赤字額が2兆円になるのではないかという報道もあります。もちろん、大丈夫ですといえるわけはありません。ただ、すぐにどうこうなるということもありません。預金者が不安に思うこともないです。

最初に農林中金とは何か?です。
農林中金(農林中央金庫)は、JAバンク(農業)、JFマリンバンク(漁業)、JForest(林業)を統括する中央機関であり、且つJAバンクやJFマリンバンクの一部でもあります。
まぁ、よくわからないです。
そもそもJAグループのように、なんでもかんでも一緒にできる協同組合というのは、日本だけでなく、世界中で一つもありません。
購入や販売という経済事業をおこなうだけの協同組合であっても、農畜産業全てを網羅した組合も世界でJAだけです。普通は、米とか小麦、野菜など一定の範囲で組合をつくります。
共済事業や信用事業も同じです。
また、信用事業だけをおこなう協同組合(信用組合)がありますが、地域毎の小さな機関です。JAバンク(農林中金)のような預貯金残高が100兆円を超えるメガバンク並み機関とは全く異なります。
つまり、JAグループは古今東西に例を見ない組織体なので、その是非も持続可能性も正しく評価することが困難です。
実は、JAバンクというのは、農業者だけが使っている金融機関というわけではありません。
JAグループの組合員数は、正組合員(農業者)402万人に対して準組合員(非農業者)634万人となっています。預貯金の1割強が準組合員からのものです。
地方の人には、一般の銀行よりJAバンクの利便性が高いのも事実です。例えば、JAバンクのATMは、全国に約10,500台設置されています。これに提携のJAマリンバンク(600台)と三菱UFJ(7000台)を含めて、全てのATMが時間帯にかかわらず無料で利用できます。
山口銀行であれば、ATMが無料で利用できるのは平日の昼間だけで、提携ATMは平日昼間でも利用料が必要です。