下水道管渠の点検はどうあるべきなのか?

八潮市の下水道管破損による大規模な道路陥没事故は対応が長期化しています。

 

埼玉県のWebサイトによると、この下水管網は三郷市の中川水循環センターにつながっていて埼玉県の西部11市4町、人口145万人分の下水を処理しています。1日に処理する下水は平均45万㎥、年間では1億7千万㎥という膨大な量になります。

ちなみに、宇部市は人口16万人ですが、浄化センターは4つあって、一番大きい東部浄化センターでも中川水循環センターの1/10ほどの規模です。

 


中川水循環センターにつながる下水管渠の長さは121㎞です。これは幹線の長さです。管路図の緑の線です。今回の事故があったのはこのうち中央幹線で、赤色の点線で示しています。

幸手市から始まって春日部市、草加市、さいたま市西部、八潮市などを経由して三郷市の浄化センターへとつながります。

 

入札公告をみると、この管渠点検(清掃は別)はテレビカメラ調査(人孔=マンホールは目視点検)でおこなわれていたようです。過去5年間をみてみると、年度で2カ所ずつおこなわれていて、落札額は令和3年度が合計39.7百万円で最も高く、令和2年度の29.2百万円が低くなっていました。

八潮市の中央幹線の点検は令和4年度に8百万円でおこなわれています。

 

年間35百万円の点検費用とすれば、1年間に下水管長さ1m当り300円弱という計算です。先端部でも直径1.5m、八潮市のように浄化センター近くでは直径4.75mもある下水管の点検費用としては少ない印象です。

 

中川浄化センターの年間事業費は265億円ということなので、費用分担を見直して点検に掛ける力をもう少し増やしておくべきだったのかもしれません。

 

宇部市は「下水道管路施設包括的維持管理業務委託」ということで、来年度から4浄化センターにつながる全管路(総延長は700㎞超)の維持管理(清掃含む)を民間委託します。

委託金額は、最初の3年間で5.8億円ということです。十分なのか足りないのかはよくわかりません。