豪雪被害の頻度が高まっていく。三八豪雪の教訓を学ぼう

今年最大・最長の寒波が襲来するという予報です。地球温暖化によって、日本近海の海水温が高いことが豪雪を招いているといわれます。

 

昨シーズン(2023年11月~2024年3月)の雪害による人的被害(死者・行方不明の合計)は22人と比較的少なかったです。しかし、一昨年シーズン(2022年11月~)は死者60人、その前(2021年11月~)は97人、(2020年11月~)は110人、と近年は多くの人が亡くなっています。

 

雪害2025年
雪害2025年

消防白書によると雪害で被害が100人を超えるシーズンが増えています。

 

2020年11月~シーズンの110人の前は、2017年(116人)、2012年(104人)、2011年(133人)、2010年(131人)、2005年(152人)、と直近20年間で6回も死者100人以上の雪害の年がありました。2005年シーズンが2006年(平成18年)の「平成18年豪雪」です。

 

比較すると、その前の20年間(1985年~2004年)には被害100人以上の雪害は1度もありませんでした。その前の20年間(1965年~1984年)には、1977年(101人)、1980年(133人)、1983年(131人)の3度でした。1980年から1981年(昭和56年)は「五六豪雪」です。

 

戦後1945年から1977年までの間に、超大規模な雪害が一度だけおこっています。それが1963年(昭和38年)の「三八豪雪」です。ちなみに戦争末期の1944年~45年シーズンも記録的な豪雪だったのですが、被害状況の記録が十分にありません。

 

「三八豪雪(昭和38年1月豪雪ともいいます)」は、1963年1月に北半球を襲った異常気象です。ヨーロッパ・アメリカ・アジアでは大寒波となりました。

ヨーロッパではロンドンのテムズ川が凍結し地中海沿岸でも積雪がありました。アメリカではフロリダ半島の南端やカリブ海の島でも雪が降りました。日本では中日本から西日本で大変な豪雪となり、鹿児島県の南端・枕崎でも26センチの積雪があり奄美大島でも雪が降りました。

偏西風の大きな蛇行が要因なので、逆に太平洋の中央部は異常高温になり、高緯度地域のアラスカでは平均気温を15℃も上回る暖冬になりしました。

 

三八豪雪での被害は、全国で死者・行方不明231人、住宅全半壊1735棟に及びました。さらに、雪害にカウントされませんが山岳遭難による死者もたくさん出ました。1シーズンの雪害としては、史上最悪のものです。

異常気象の振れ幅は大きくなっていますから、三八豪雪の再来があっても不思議ではありません。しっかり備えておくことが肝要です。