エイチ・アイ・エスがコロナ禍での雇用調整助成金の不正受給があったとして、62.6億円を自主返還すると発表しました。
当初は連結子会社1社での不正受給があり1億円余りを自主返還するということだったのですが、本体にも広がってしまいました。エイチ・アイ・エス本体では242.6億円受給した助成金の1/4を返納するということです。この他の連結子会社が受給した42.9億円についても調査中とのことです。このため、提出期限1月末の有価証券報告書の提出を3月末まで延期しました。
厚生労働省のWebサイトによると、令和6年9月末現在で、支給決定取消件数3603件、金額で815.5億円です。
このうち回収済額が627.8億円となっていますから、破産などして回収不能になっている助成金もありそうです。
先日（2月3日付け）、福岡県の結婚式場を経営している会社で雇用調整助成金2200万円の不正受給が発覚しました。経営者ら5人が詐欺罪で逮捕されたというニュースです。余罪もありそうで、被害額は1億円を超える可能性があるとのことです。
2月2日には、山梨県で1500万円を不正受給したアクセサリー会社の社長が逮捕されたという記事もありました。
どうも、これからも大口案件がボロボロ出てきそうです。しかし、何しろコロナ禍での異常な雰囲気というか熱狂が後押したことのように思えます。どんどんバラマケ、もらわにゃ損という空気のなかでの、申請や審査など制度面での不備も大きな要因かも知れないので、何だか気の毒な感じがします。
ところで、エイチ･アイ･エスのコロナ禍でのトップは澤田秀雄氏です。1980年にエイチ・アイ・エスを創業して、2023年2月まで代表取締役でした。2024年1月に取締役を退いて、現在は最高顧問です。今でもエイチ・アイ・エス株式の30%くらいを実質的に保有しています
フジテレビの取締役相談役さんとは違って、長期政権批判が会社の風土を・・といった話は出てきそうにありません。