山口宇部空港でバードストライク事故は起こらないのか?

昨年12月29日に韓国チェジュ航空のB737-800型機がムアン空港で着陸できず、乗員乗客合わせて179人が亡くなりました。原因はバードストライクとされています。

 

ムアン空港は渡り鳥の飛来する湿地が多い場所で、バードストライクがよく発生していたそうです。湿地が多くて渡り鳥の群れをよく見るということでは、地元の山口宇部空港も全く同様です。

山口宇部空港の北東8㎞にある県立きらら浜自然観察公園は「渡り鳥の交差点」として知られていて、多くの愛鳥家が集まります。バードストライク事故に対して、山口宇部空港はどのくらい安全(あるいは危険)なんでしょうか?

 

山口宇部空港
山口宇部空港

国交省のサイトに空港別のバードストライク発生頻度(2018~2022年の5年間実績)が載っていました。

山口宇部空港のバードストライク頻度は離着陸1万回あたり16.84回です。これは、羽田空港の3.31回と比較して5倍です。

 

その他の主要空港では、新千歳3.58回、成田2.36回、中部1.92回、関空2.37回、福岡3.11回、那覇3.79回となっています。概ね1万回当り3回が平均的です。

 

山口宇部空港より頻度が高い主な空港には、佐賀33.69回、稚内26.26回、鳥取22.53回、岩国21.14回、徳島20.54回、富山20.18回などがあります。山口宇部空港はバードストライクリスクでは全国上位です。

 

ムアン空港の滑走路が2800mしかなくて短いという指摘があります。山口宇部空港の滑走路は2500mですから、さらに短いです。しかも、着陸に失敗したB737-800型機は山口宇部空港で運用されている主力機です。

 

ムアン空港のローカライザー(飛行機が着陸するときの水平方向のズレを知らせる装置)の基礎がコンクリート製だったことが問題だと非難されています。

山口宇部空港ではローカライザーが海上に設置されています。滑走路は2500mですが、滑走路の端から東は250m、西は50mで海です。

山口宇部空港であれば、胴体着陸したB737-800機は必然として海に突っ込むことになります。爆発炎上はしないとしても被害は大きそうです。

 

確率は随分と低いのでしょうが、ちょっと心配にはなります。