日本製鉄は営業利益>経常利益。トヨタは経常利益が1.6兆円も大きい

昨日、日本製鉄の決算書を見ていて気付いたことがあります。

 

直近決算(連結)で、日本製鉄の営業利益は7786億円で経常利益は7639億円(▲147億円)です。営業利益より経常利益が僅かですが小さくなります。鉄鋼セクター第2位のJFEをみると営業利益2870億円で経常利益は2683億円(▲187億円)。3位の神戸製鋼は1866億円と1609億円(▲257億円)で、いずれも同じような傾向です。

 

日本製鉄戸畑
日本製鉄戸畑

自動車セクターでみると、トヨタは営業利益5兆3529億円で経常利益6兆9650億円(+1兆6121億円)、ホンダは営業利益1兆3819億円で経常利益1兆6423億円(+2604億円)、日産自動車は5687億円と7021億円(+1334億円)といずれも経常利益が大きくなっています。

鉄鋼と自動車はかなり違います。

 

営業利益と経常利益の差は、大雑把に言えば資産運用と金融収益で生まれます。中小企業であれば、ほぼ受取利子・配当金と支払利息の差です。自動車会社が本業以外で大きな利益を出していることには驚きます。

但し、一般論で言えば、金融収益が大きいから経常利益が増えていると簡単にはいえません。本業の利益が足りないのを、何かの手段で補うこともあります。

 

お馴染みの化学セクターでは、時価総額の上位3社、信越化学は7010億円と7872億円(+862億円)、富士フィルムは2767億円と3172億円(+405億円)、花王は600億円と638億円(+38億円)と、いずれも経常利益が営業利益を上回っています。

一方で総合化学の上位である三菱ケミカルは2618億円と2405億円(▲213億円)、三井化学は741億円と733億円(▲8億円)、旭化成は1407億円と901億円(▲506億円)です。尚、住友化学は営業赤字でした。

 

本業以外の収益が大きいことが是なのか非なのかは、個別に検討しないといけません。それでも、ちょっと気になります。