歳末のお酒「よそう。また、夢になるといけねぇ」

男性の道楽と言えば「飲む・打つ・買う」ですが、そのまましくじりの原因でもあります。

 

しくじりの場合は「飲酒・金銭・異性関係」と言い換えたほうがよさそうです。また、近年は男性に限らず女性でも同様のしくじりをしてしまいます。

JALのベテラン機長・副機長の二人が飲酒トラブルで解雇されたというニュースです。海外からの帰国便を操縦する際に、規定を超える飲酒をしていたのを隠蔽したことが、悪質であり職業倫理に背いているという指摘です。

 

芝浜
芝浜

古典落語には師走とお酒を題材としたネタが多くあります。有名は「芝浜」は、その一つです。

 

あらすじは、

魚屋の勝五郎(魚勝)は酒好きで仕事に行かなくなったり、腐った魚を売ったりします。

師走になって金策に困った女房に怒られて、しぶしぶ河岸(市場)に魚を仕入に来たが、早くきすぎて開いていない。

仕方がないので芝浜で時間をつぶしていると、五十両の大金が入った財布を拾った。勝五郎は喜んで、仲間を集めて盛大な酒宴を開き大酒を飲んで寝てしまう。

 

翌朝、「酒代はどうするのか」と女房に迫られた勝五郎は、財布の五十両の話をする。

しかし、女房は「何の話しだい? 夢でも見たんじゃないか」という。勝五郎は「あれは夢だったのか」とあきらめ、心を入れ替え、酒を断ち、仕事に打ち込む。

 

三年後の大みそか。女房が勝五郎に五十両が入った財布を差し出す。詫びる女房に、勝五郎は自分を立ち直らせてくれたと感謝する。

女房は、勝五郎に久しぶりに酒をすすめる。勝五郎は「よそう。また、夢になるといけねえ」。


職業人の「飲酒・金銭・異性関係」は、それだけで非難されるわけではありません。プロフェッショナルとしての規範、職業道徳や倫理に背く原因になることが指摘されているわけです。

 

家庭人でも同様に、社会的な規範や道徳倫理がありますが、他人がとやかく言うことは無いように思います。政党党首やプロ野球のスター選手でも同様でしょう。

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