随分寒くはなりましたが、熱利用する工場では冷却塔が大活躍です。
冷却塔は縁の下の力持ちのような設備です。冷却塔でつくられた冷水は、熱利用設備の冷却に使用されて温められて冷却塔に戻り(実際は水槽ですが・・)、再び冷水になって冷却設備へと循環します。冷却塔がちゃんと働くことは重要で、もし能力が落ちているとエネルギーを無駄に使うことにもなります。
冷却塔を管理することは、意外に難しいものです。技術的とか費用とかではなく、普段意識せず何気なく使っているからです。
冷却塔には密閉式と開放式があります。循環する冷水が管のなかに密閉されていて外気に触れないのが密閉式、冷水が外気に触れるのが開放式です。
密閉式は冷却水自体は汚れないのでよいのですが、冷却水と冷水の2系統の循環が必要なのでエネルギーコストは高くなります。また、熱交換コイルの汚れや閉塞なども懸念されるので管理も必要です。
開放式でも同じですが、冷却水は循環していくと濃縮されるので、適切にブローして濃縮が進まないように調整が必要です。冷却水の目皿や充填剤が汚れたり、破損すると能力低下するので、こまめに点検して清掃することが望ましいです。
冷却水を目皿からの滴下ではなく、スプリンクラー式にしている冷却塔ではきちんと回転しているか定期的に確認します。また、自動ブロー装置や薬注装置がある場合は作動状況を確認します。
冷却塔をうまくつかうことで、大きな省エネ効果が期待できます。寒い冬こそ、ちょっと点検してみてください。