昨日の続き。将棋の竜王戦は、元は十段戦(その前は九段戦)と言っていました。
1987年に読売新聞主催だった十段戦が発展的に解消され、日本将棋連盟と共同主催となり「竜王戦」が発足しました。竜王戦という名称は、Wikipediaによると、「竜は古来中国で皇帝の権威の象徴として神格化されていた最強者のシンボルであること、将棋の駒の「竜王」(「飛車」の成り駒)は将棋で最強の駒であることの2点を理由として命名された。」そうです。
「竜王戦」であって「龍王戦」でないのは、「龍」が常用漢字ではないので読売新聞側が使えなかったからだそうです。
ところで、竜は中国では皇帝の象徴となっていますが、日本では日本書紀(本書)では天皇の祖先です。
海神(わたつみ)の娘、豊玉姫(とよたまひめ)は竜宮に住んでいます。
海幸彦から借りていた釣り針を海に落とした山幸彦は、釣り針を探すため海底の竜宮を訪れます。山幸彦と豊玉姫は恋に落ちます。
山幸彦は地上に戻ると、豊玉姫が後を追ってきて身ごもっていることを伝えます。豊玉姫は山幸彦に、本国の姿に戻って産むから、決して覗いてはいけないと念を押して産屋に籠ります。
山幸彦は約束を破って覗いてみると、豊玉姫は竜の姿になっていました。豊玉姫は、約束を破った山幸彦に怒って、生まれたばかりの赤子を渚に置いて、海への道を閉ざします。
母に置き去りにされた赤子は、豊玉姫の妹の玉依姫(たまよりひめ)が育てることになります。成長した赤子は玉依姫と結婚して、子どもが産まれます。この子供が、初代の天皇、神武天皇となります。
初代の天皇は、海神である竜王の孫です。竜王の娘と山幸彦の子と竜王の娘との間に生まれたわけで、3/4が竜王の血筋になるということです。