“紀州のドン・ファン”が覚醒剤中毒で亡くなった事件で、和歌山地裁が殺人罪で起訴されていた元妻に無罪を言い渡しました。
NHKによると、検察が「遺産を得るために殺害する動機があり、覚醒剤を摂取させることができたのは被告だけだ」として無期懲役を求刑したのに対し、被告は「社長を殺していないし、覚醒剤を摂取させていません」などと無罪を主張していた。ということです。
この事件は当時ワイドショーで盛んに取り上げられたということです。詳細は知らないのですが、NHKニュースの記事を見る限りでは、検察の立証はかなり無理筋です。
「被告には動機があるから殺害するはずだ」「被告は殺害を実行できるのだから実行したはずだ」という主張は、あまりにも乱暴な気がします。
直接的に被告の犯行を立証する証拠品は何もないのですから、無罪判決が出るのは当然です。
元検察官だったという弁護士さんが、以前ならこれで無罪にはならなかったという趣旨のコメントを出して、悔しそうです。
今回の裁判は裁判員裁判でした。裁判員の一人が記者会見をしています。
2009年にはじまった裁判員裁判制度ですが、検察寄りに判断をしてきた職業裁判官による冤罪判決の抑止に効果があると思います。
言葉は悪いですが、法曹仲間の検察官が出してきた証拠だけをみて、ちゃっちゃと判決を出していた裁判官が、市民の目を気にするようになったのでしょう。
また、検察官や警察官の不祥事報道が目につきます。裁判官も検察官へ無条件に信頼を寄せることができないと思っているのかも知れませんね。