平屋の建物では屋根の断熱改修が効果的

平屋の建物で省エネ効果の高い断熱改修は何ですか?とのご質問です。

 

断熱改修は、大きく分けて屋根・壁・窓(扉)の3つになります。一般的には、平屋の建物であれば、屋根の断熱改修が壁や窓の改修よりも効果が高いと思われます。また、施工においても壁の改修は結構難しいです。窓の改修は、窓の大きさとか建物の向きによっては効果が大きくなる可能性があり、施工も比較的容易です。

 

屋根の断熱
屋根の断熱

そのなかでも屋根の断熱は重要です。

ちょっと極端な事例ですが、日本の豪雪地帯にある伝統的な合掌造りの建物では、屋根裏の断熱効果が非常に高いそうです。

 

合掌造りの凄いところは、屋根の素材である藁(わら)そのものは高度な材料ではなく、気密性もほとんどありません。

屋根裏にある空気が断熱層として機能することで、その効果を補っています。

 

冬季に計測すると、屋根表面の温度が20℃下がっても、屋根裏の温度は4℃しか下がらないそうです。現代の建物にそのまま応用することは困難ですが、参考にはしたいと思います。

 

もし、事務所や店舗が平屋であるなら、屋根の断熱改修を検討することをお奨めします。

但し、条件次第ではありますが、省エネによる空調コスト削減だけを評価しようとするなら、投資回収期間はそこそこ長く(多分、10年以上)なりそうです。脱炭素社会への貢献や、働く人の快適性・生産性の向上といった付加価値も考慮に加えたうえで、判断をしてもらいたいと思います。