Webサイトを開いて、品名を入力するだけでデータが入手できます。見た目のよいグラフ化も勝手にしてくれます。何しろ、日銀ですからデータの確からしさもバッチリで、診断士がつくる資料にはよく登場します。
例えば、ケーキ屋さんを経営しているとして、値上げをしたいと考えたとします。原価の上昇がどの程度なのかを公的なデータで示したいと思うのは当然です。
ケーキの主な原料として、小麦粉、バター、生クリーム、チョコレートを選んで企業物価指数の推移をグラフにしてみます。
2021年の中盤までは、いずれの品目でも価格の変化は小さかったことがわかります。
2021年10月から、先ず小麦粉の価格が上がりはじめて、2023年の後半には2020年を100とした指数で135を超えています。その後、2024年に入って一旦125を下回るまで下落した後、現在は再び上昇に転じています。
次に、2022年夏くらいからチョコレートの価格が上がり始めます。バターと生クリームの価格が上がり始めるのは2023年の春からです。チョコレート、バター、生クリームの価格推移はほぼ似通っていることが分かります。
それぞれの価格の変化には、それぞれの理由があります。これを解析して、説明することでさらに説得力が増します。
小麦粉の場合は分かりやすいです。政府が製粉業者に売り渡す輸入小麦の価格が半年に一度改定されるからです。
政府は、2021年10月から価格を一気に19.0%引き上げました。これは世界的な穀物価格の上昇によるものです。さらに、2022年4月からは17.3%の引き上げでした。これは、ロシアのウクライナ侵攻によるものです。
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