衆院選挙で自民党が大敗して、公明党との自公連立では過半数を維持できなくなりました。
こういう場合、本来は、過半数を超える議席を確保して政権を安定できるように、複数政党で連立内閣を構成するのがよいと思います。欧州では、フランス、イタリア、ドイツ、フィンランド、デンマークなど多党連立政権が国の舵取りをしている国は多いです。欧州で連立政権にならないの例外国が、実質的に二大政党制且つ日本と同じ議院内閣制のイギリスです。
日本でも連立政権は結構多いです。そもそも自民と公明の連立は1999年以降25年の歴史があります。
但し、自公連立など日本の連立は、細川内閣の8党連立を除くと、欧州流のがちんこ連立とは、少し違うように思います。
今回、自民党を中心として自公国とか自公維、立憲民主党を中心とした立国維の連立など、いくつかの可能性があったと思います。
しかし、結果として、連立政権はできませんでした。
ひとつの要因が憲法66条だと思います。
第五章 内閣
〔内閣の組織と責任〕
第六十六条 内閣は、法律の定めるところにより、その首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを組織する。
2 内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。
3 内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。
ここに、「内閣は国会に対し連帯して責任を負ふ。」とあります。つまり、内閣を組織する首相と大臣は連帯責任があり、全員一致でなければならないのです。
よく政府に対して野党側から閣内不一致だという非難がでるのはこのためです。
当たり前のことのように思いますが、内閣が国会に連帯責任を負っている国は日本とイギリスくらいのように思います。
ドイツなどのように、首相が(あるいは首相と主任の大臣が)国会に責任を負うと、憲法を改正すれば、連立政権は随分とつくりやすくならないでしょうか?
何しろ、多様性の時代です。内閣を構成する20人の大臣のなかに、その議決には反対(賛成しない)という人が1人や2人ならいてもよいように思います。
今回の選挙でもありましたが、内閣の一員として承認した案件に対して、内閣から外れるとすぐに前言を翻す人もおられます。こちらのほうが、気が重いです。