日本の総選挙の仕組みはユニークで優秀のように思われる

総選挙が終わって、自民・公明の与党が惨敗しました。まぁ、事前の予想通りでした。

 

今回の選挙では、比例代表との重複立候補という制度が大きな話題になりました。自民党執行部が、政治資金収支報告書に不記載があった候補の重複立候補を認めないという措置をとったからです。

この結果、小選挙区で落選して、今までであれば比例復活していた自民党の候補者が復活を果たせず、小選挙区3位の候補が当選するケースも出てきました。

 

死に票
死に票(政治ねこニュース)

ちょっと調べてみると、小選挙区比例代表並立制という選挙制度は珍しいとはいいながら、イタリア、ロシア、メキシコ、フィリピン、タイなどの国々で採用されています。

 

ただし、小選挙区と比例代表に重複立候補できて、且つ惜敗率で当選が決まるというのは、日本独自のユニークな制度のようです。

 

小選挙区で落選して比例復活した議員をゾンビ議員とかいって非難することがあります。しかし、この重複立候補+惜敗率復活というのは、存外によくできた制度です。 

 

小選挙区制の最大の課題は、1区で1人しか当選しないので、2位以下の候補者への投票が死に票になることです。例えば、Aさん400票、次点のBさん390票なら、Bさんの390票を含む600票は死に票です。死に票率は60%です。

ここで、Bさんは惜敗率が390/400=97.5%なので比例復活できる可能性があります。そうすれば、この選挙区の死に票率は21%に減ります。

日本の制度は、死に票を減らす機能がかなり強い制度といえます。

 

また選挙区に強い候補がいて、1位で当選することが難しいとわかっている候補を応援する人は、重複立候補制がないなら最初から投票に行かない可能性が高いです。

尚、比例復活は必ずしも90%とか95%のような高い惜敗率とは限りません。20%未満でも復活した例もあります、つまり、重複立候補できるなら、2位に入ることを期待して投票にいく可能性が高いわけで、投票率を下支えすることが期待できます。

 

なかなかにユニークで優秀な制度のような気がします。