BCPをつくる支援をする際に、シナリオがある訓練なんか意味がないんじゃないか?という指摘を受けることがあります。
指摘をされる方の多くが、シナリオが有ろうか無かろうが、防災・消防・避難などの訓練を経験していません。事前にシナリオをしっかりつくって、所轄の消防署の方に来てもらって行う訓練には大きな効果があります。しかも、訓練にかかる時間は、せいぜい15分かそこらですから、仮に期待した効果ほどでなくとも、損するわけではありません。年に1度の訓練は、しっかりやりましょう。
確かに、シナリオ通りに火災が起きたり、事故になったりするわけではありません。シナリオ通りの手順が踏めるわけもないのです。
連続操業の事業所でなくても、災害が起きるのは昼間とは限りませんし、平日とも限りません。 地震などは人の営みを忖度しませんから、休日の深夜に発生することもあります。
訓練のときみたいに、指示する人がいないとか、人数が足らないので掛け持ちが必要だとかはその通りです。
実は、だからこそ訓練が有効です。訓練での指示は「事前命令」です。何か起こったときには、「これをしなさい」と指示するのが訓練です。訓練では役割分担をしますが、役割は適宜交替したり、他の役割の動きを観察することも大事です。たいていの訓練では、配られるシナリオに別の班の行動も書かれています。
もう一つ大事なことは、訓練そのものにかかるパワーは全体の2割くらいということです。事前のシナリオ作りや段取り、備品の準備に4割のパワーを掛け、事後に感想を集めて次回のために改善することに4割のパワーを割きます。
ぜひ、計画してみてください。