顧客の質を評価する。優良顧客はどこか?

先週、東京都でカスタマーハラスメントを防ぐ全国で初めての条例が成立しました。

 

厚労省の「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」を参照してみます。

”はじめに”に書かれていることが重要です。不当・悪質なクレームは、「従業員に過度に精神的なストレスを感じさせるとともに、通常の業務に支障が出るケースが見られる」など、「企業や組織に金銭、時間、精神的な苦痛等、多大な損失を招く」ことが想定されます。

 

カスハラ対策マニュアル(厚労省Webサイトにリンク)
カスハラ対策マニュアル(厚労省Webサイトにリンク)

顧客は基本的には事業者に利益をもたらすものですが、ときには損失を与えるものでもあります。カスタマーハラスメントと認定するほど酷くはなくても、質の悪い顧客は存在します。

 

顧客を評価する際に、「売上の規模と継続性」と縦軸にして、「利益率」を横軸に取ったマトリックスを使う場合があります。

「売上規模と継続性」が大、「利益率」が大の顧客が優良顧客というわけです。

 

しかし、「売上規模と継続性」が高くとも不良顧客という場合があります。不平不満が多く、無理な要求を押しつけたり、代金の支払いがきれいでなかったりします。

 

一方で「利益率」が低くとも優良顧客という場合もあります。常に誠実で信頼できて、決して無理な要求はしない顧客です。

 

不良顧客から与えられる不利益を見える化することは難しいですが、経営者は顧客との接点である担当者とよくコミュニケーションをとって峻別しましょう。ときには、取引の継続をやんわりと断ることも必要になります。