デフレ時代が終わって景気回復の波が中小企業にも届いています。中小企業は、今こそ営業力の強化に取り組んでいく時期です。
「景気がいいのは大企業だけだ、中小企業や小規模事業者には関係が無い」という声も大きいです。しかし、実態をみると中小企業も、業績絶好調とまではいかなくとも、回復途上にあるという企業が増えています。この業績向上を確実にするには、営業力を強化することが、最も重要な取組になります。
このところ、取引先の数が減っていて、それに伴って営業人員を減らしているという会社が増えている印象です。コロナ禍の販売不振で営業担当者が退職したり、他の部門に異動になっている例も多く見ます。
また、最近はよい製品、よいサービスを提供すれば売上高は自然に上がってくるはずだ。営業部門のDXを推進することで、営業人員は減らすことができる。といった考えを持つ経営者も増えています。
しかし、改めて「生(製造)・技(技術開発)・販(営業)」の3つが欠けることなく機能することが事業の発展には重要です。会社が、製造力・技術開発力で業界有数の実力があったとしても、営業力が伴わなければ、同業他社との競争に打ち勝つことは叶いません。
営業力の強化には、人員の増強が必要です。そのうえで、営業員の地位を高め、実際の営業工数を増やさなければいけないです。
いわゆるノルマで縛るのではなく、営業工数の目標を立てることが有効です。見込みのある顧客を絞り込み、コミュニケーションの頻度を上げていくのです。
ただし、営業の対象になる市場の現状をきちんと把握して、将来の状況を予測します。営業戦略を練る基本は市場の将来動向に拠るものです。市場が無ければ、営業工数をいくら上げても売れません。どの市場、どの顧客が有望なのかを知ったうえで、集中的に攻めていきます。
既存顧客の課題を把握して解決を把握しながら。新規顧客を企画し開発することは優秀な人材をしっかり鍛えないと難しいことです。今こそ、営業力強化に注力する時期です。