ブルーカーボンは大気中の二酸化炭素を、海洋の海藻や海草が吸収し固定化したものです。
日本でも多くの機関や企業がブルーカーボンを、主要な事業として取り組み始めています。しかし、中国の取組に比較すると規模やスピードで劣っていると思われます。三方を海に囲まれた山口県ですから、ブルーカーボンを活用した炭素循環に関連する産業が発展していくことに期待しています。
海藻の量を増やすには、海岸線を整備して藻礁を設置したりする必要があります。
増えた海藻は美味しくいただくわけですが、食べるだけの海藻では不足です。海藻の利活用範囲を広げて需要を伸ばさないといけません。
海藻はバイオマス(生物資源)としていろいろな利用が考えられます。
アオサやジュズモのような緑藻類からは主に自動車燃料としての利活用が想定されるエタノールが生産されます。
現在のバイオエタノールの主流はトウモロコシやサトウキビですが、海藻のほうが成長が早く生産効率が高いうえに、食料となる農作物を燃料にするという不合理から逃れられます。海藻はバイオエタノールとして持続可能性が高いといえます。
海藻は食用(飼料用を含む)以外では、肥料として利用されます。肥料の3要素である窒素・リン・カリウムを豊富に含むので優秀な肥料原料になります。
また、これらの成分を単離することで、高付加価値な工業用原料とすることも可能です。
実際に日本でも終戦までは海藻を工業用原料として採取していました。
海藻からヨードを生産して、消毒剤(ヨードチンキ、赤チン)や、咽喉用殺菌剤(ルゴール液)の原料にしました。昆布からは硝酸カリウムを生産して、火薬の原料になりました。
現在のレゾナックHD(旧昭和電工)は、 日本沃度株式会社を創業としますが、その源は千葉房総の粗製ヨード生産者が集まって、明治41年につくった総房水産株式会社です。
海藻が世界を変える=世界を救うかも知れませんね。