会社の清算にはしがらみを捨てるメリットがある

ゾンビ企業という言葉があります。コロナ融資の結果、増えているといわれます。

 

ゾンビ企業とは、業績不振が継続したことで、実質的に経営が破綻している企業です。債務の利払いするだけの利益が上げられない状況にありますが、政府や金融機関が支援することで存続している企業です。中小企業の場合、全企業の10~20%がゾンビ企業だといわれます。

 

ゾンビ企業率(帝国データバンク)
ゾンビ企業率(帝国データバンク)

ゾンビは人間の場合は死体ですから、完全に復活することはなさそうで、ただウロウロ動き回るだけです。

しかし、企業の場合は、ゾンビ企業とは名付けられていても、経営改善や事業再生によって再び健全な姿を取り戻すことが可能です。 

 

但し、どうしても赤字が続いて、回復する見込みが薄い場合には、無理をしてまで事業を継続しないという選択肢もあり得ます。無理すればするほど、借金が増えたり、個人資産を減らしたりするなら、早めに会社を清算することを考えても構いません。

 

但し、全ての債権者に対して清算できる企業ばかりではないでしょう。会社の残った財産を処分して債権者に弁済する破産手続きになります。

 

会社が破産する場合、代表者個人が連帯保証している場合は、個人資産で弁済しなければなりません。もし弁済できないなら、代表者個人も破産することになりますが、自由財産は保全されます。

何か、大変なことになるように思いますが、代表者個人としては会社のしがらみがなくなって、新しいチャレンジができるようになります。大きなメリットです。

 

このため、会社を清算する場合にはよく準備して、取引先などとの関係を悪くしないように配慮します。再チャレンジを成功に導くために重要です。

 

アメリカのトランプ前大統領は6回破産しています。リンカーン大統領、ヘンリー・フォード、ウォールト・ディズニーも破産を経験してから成功しました。

日本の現役経営者でも、いちごHDの宮下雅光社長、ガリバーの羽鳥兼市会長、シーラHDの杉本宏之会長など破産を経験した後に素早く復活して成功している人は多数います。