自民党総裁選は7対2。本流7分裂がどう影響するか?

自民党総裁選の記者会見がありました。(見てはないですが・・・)

 

自民党は派閥を解消して自由に投票することになり、9人の候補が乱立しています。しかし、自民党という塊のなかにも、いろいろな考え方の人がいます。考え方の似通った人たちが集まって、派閥をつくって自分たちの理想を実現しようとするのは当然です。日本は議院内閣制、つまり代表制の国であり、多数決で議を決するのですから”数”が大事です。

 

自民党総裁選
自民党総裁選

岸田首相は、裏金問題(政治資金収支報告書への不記載)と統一教会問題(テロリストの主張)を巧みに使って、安倍派と二階派を潰すことに成功しましたが、ちょっと返り血を浴びた格好です。

 

自民党には大きく二つの勢力があります。保守本流と呼ばれる旧自由党系と傍流といわれる旧民主党です。この二大勢力は、ほぼ均衡しており、日本において疑似二大政党制を形成していました。

米国の二大政党制との違いは、重心の位置は動きますが、常に連立政権であったことです。

 

保守本流からは、石破茂、小泉進次郎、河野太郎、茂木敏充、林芳正、上川陽子、加藤勝信の7人が総裁選に立候補しました。

保守傍流からは、総裁選候補は高市早苗と小林鷹之の二人です。

 

両派の考え方の違いをざっくりと把握します。

保守本流の旧自由党は吉田茂からの流れで、旧岸田派、旧茂木派、麻生派です。

外交面では対米関係重視、軽軍備。経済面では経済拡大、大きな政府、高福祉高負担、成長と分配。政治姿勢では、憲法改正に消極的、選択的夫婦別姓に賛成、解雇規制の緩和に前向き、靖国参拝しない。米国の二大政党制になぞらえれば「民主党」の役割です。

 

保守傍流の旧民主党は反吉田茂の岸伸介と鳩山一郎からの流れで、旧安倍派、旧二階派、旧森山派です。

外交面では自主自立、軍備強化。経済面では、規制緩和、官から民へ、小さな政府。政治姿勢では、憲法改正に積極的、選択的夫婦別姓に慎重、解雇規制の緩和に後ろ向き、靖国参拝したい。こちらは米国では「共和党」の役回りですね。