理髪店のビジネスモデルはまだまだ健在

宇部に来てから7~8年通っていた散髪屋さんが店仕舞いしたので、今日は違うところで髪を切りました。

 

実は、その散髪屋さんとの縁は長いのです。会社に入って独身寮にいた頃、つまり40年以上前のことですが、数年間通っていました。結婚して独身寮を出てからは行かなくなり、その後は転勤で山口県を離れました。四半世紀ぶりに宇部市に拠点を置いたので、思い立ってお店をのぞいてから再び通い始めました。

 

理容遺産第一号「理容室アラタ」
理容遺産第一号「理容室アラタ」

初め通っていたころ、散髪屋の店主さんは50歳くらいだったのだろうと思います。2度目に通っていたここ数年で、店主さんは70歳代から80歳代となっていました。

 

この散髪屋の良いところは、予約とかなんとか面倒なことは言わないことです。

今の仕事では空き時間ができれば、曜日や時刻を問わずに気が向いたときに散髪に行くことができます。いつ行っても、すぐに髪を切ってくれる散髪屋が好ましいです。

言葉が悪いですが流行っていない散髪屋がよいということです。

 

個人的な感想ですが、中高年男性にとって散髪屋は構えて行く場所ではありません。それでも、フラッと立ち寄る散髪屋は日常のアクセントになります。

「一日だけ幸せでいたければ散髪に行け」というのは、至言だと思います。

 

子どもが小さい頃には、髪を切ってやってました。髪を切るという作業そのものは、そんなに難しいことではありません。そこにプロの技が加わることで、心地よさが増すのは事実ですが中高年男性の多くは、ただ髪が伸びたから切ってもらうだけです。(もっとも、自分の髪を自分で切ることができないという事情があります。)

それでも、贔屓の散髪屋があって、同じ店に何年も、何十年も通います。

 

厚生労働省の資料から理髪店の経営をみると、平均的な理髪店は、店主を含めて従業員2人で理髪台は2台。粗利益率は平均92%ととても高くて、しかも現金商売です。商圏の世帯数は800~1000で、固定客の割合が90%超。その人数は400~500人。平均すると2ヵ月ちょっと空けて来店される。といったイメージです。

結構、大儲けは難しくても、潰れるリスクは少ないビジネスモデルです。しかも、かなりの高齢になっても続けられます。

 

追記)東京にいた頃に通っていた散髪屋さんは、ご主人が亡くなってからは、高齢の奥さんがひとりでお店を続けていました。主人がやっていた鋏砥ぎを、よその人に頼まないといけなくなったのだけが残念と言ってました。