昨日の続きですが、10月1日から郵便料金が値上がりします。
はがきは63円から85円になります。値上がり率は35%です。中小企業の多くは、顧客に対して恐る恐る数パーセントの値上げを要請するのがやっとですが、さすがにJPとなると違います。私たちが子供の頃のはがきは1枚7円でしたから、60年で12倍になったわけです。
日本に郵便制度ができた明治6年(1873年)に、はがきは1枚1銭(0.01円)でした。
明治32年(1899年)に1銭5厘になり、昭和12年(1937年)に2銭になります。
太平洋戦争のときに兵隊の命は1銭5厘というのは、はがきの値段を言っています。
もっとも時期的には2銭が正しいですし、そもそも召集令状(赤紙)が郵送されることはないのでイメージです。
終戦の昭和20年(1945年)には、はがき1枚5銭になっていました。戦後の昭和21年に15銭に3倍値上げされ、翌年に50銭を再値上げされ、昭和23年には2円になります。
私たちが生まれた頃は1枚5円だったのですが、昭和41年(1966年)に7円になり、昭和47年(1972年)には10円になっています。7円の時代は6年間で結構短いですね。
我々世代にはがき7円のイメージが定着しているのは、永六輔の「誰かとどこかで」というラジオ番組で「7円の旅」「7円の唄」という人気企画があったからです。リスナーが日常のちょっとしたことを書き送り、永六輔や遠藤泰子がそれを読んでコメントするだけの企画です。
ラジオがはじまった頃、はがきが7円だったことに由来します。はがきが10円に値上がりしても企画のタイトルは「7円(ななえん)」のままでした。
はがきなので、びっしり書いても200字くらいです。この短さがよかったのだと思います。