ホテルサン防府のひだまりの湯は太陽熱でポカポカ

エネルギーを考えるときに重要なことは、エネルギーは変換されるということです。

 

発電における化石燃料の使用では、化学エネルギーを熱エネルギーに変換(このとき温室効果ガスである二酸化炭素を放出)して、これを力学エネルギーを介して電気エネルギーに変換しています。日本で普及した太陽光発電は、太陽の光エネルギーを電気エネルギーに変換します。注意が必要なのは、熱エネルギーではないことで、猛暑の夏には、同じ光エネルギー量であれば温度が高くなる分だけ発電量がむしろ減ります。

 

ホテルサン防府のWebサイトにリンク
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今、注目されるのは太陽の熱エネルギーの利用です。

 

防府市のビジネスホテル、ホテルサン防府には大浴場「ひだまりの湯」があります。この大浴場の給湯のため、ホテルの屋上に太陽熱集熱器を設置しています。

元々はガスだけで給湯していたのですが、太陽熱を使用することで二酸化炭素排出量を減少させました。

 

太陽熱集熱器の性能は向上しています。太陽熱利用といえば、○○ソーラーの自然循環式の太陽熱温水器を思い浮かべるのですが、 現在の主流は真空管型集熱器です。

ガラス管の中には水ではなく不凍液などの熱媒を通します。真空にすることで対流による放熱がほとんどなくなるので、高温で集熱できます。集熱効率が高く、設置面積が狭くて済みますから、ビルの屋上などにも設置が容易です。

 

ホテルサン防府では、太陽熱を給湯に利用していますが、つくった温水を空調(暖房だけでなく、冷房にも利用できます)に使用することも可能です。

 

太陽光発電は光エネルギーを電気エネルギーに変換するので、変換効率は10%台です。太陽熱集熱器で熱エネルギーのまま利用する場合の変換効率は60%以上が期待できます。

このため、太陽光発電で必要な広大な面積を必要としません。狭い日本には適した再生エネルギー利用ですから、ご検討ください。