小規模企業共済についての相談を受けました。基本的には加入をお奨めしています。
小規模企業共済は、小規模企業の経営者(役員)のための積立による退職金制度です。契約者が自らの収入の一部を積み立てます。その額は月当たり1000円から7万円まで任意(500円単位で)に決めることができます。小規模企業共済の掛け金は全額が所得控除の対象になるので、個人として大きな節税効果があります。
日本にはいろいろな共済制度があります。日本の共済事業~ファクトブック2023~から抜粋してしてみます。
2022年度の組合員数は7817万人、契約件数は1億3044万件ですから、たいていの日本人は何かの共済と関りがあるような気がします。
共済金額は総額で約797兆円で、総資産は66兆4612億円と巨額です。
年間の共済掛金は5兆9660億円で、支払共済金は4兆3343億円でした。
このうち、小規模企業共済は加入者数が162万人、資産運用残高が11兆1313億円、共済金受給額5333億円。共済金受給額の平均は1116万円で平均在籍年数は20.5年でした。
日本の小規模企業の数は法人と個人を合わせて325万社ですから、小規模企業経営者の40%程度が加入していると思われます。
小規模企業の経営者になってから年に50万円を積み立てて、20年経って(合計1000万円の掛金)引退するときに、1150万円ほどを退職金として手にするというのが平均的な姿になります。
尚、共済金は一括で受け取らずに、分割で受け取ることもできます。
結構シンプルな制度で、小規模企業の経営者の助け合いです。悪い制度ではないと思います。
また節税額は条件次第ですが、20年間では百万円を超える金額になると思います。