リース資産と負債を貸借対照表に載せる理由

事情があって、リース資産/負債をオンバランスした事業計画書をつくることになりました。

 

大企業の会計基準ではリース会計基準に基づいて、売買処理を原則的な取扱いとしています。一方で、中小会計要領ではリースは賃貸借処理を原則的な取扱いとしています。つまり、中小企業のリース会計は、リース資産及びリース負債を貸借対照表に計上しないで、支払リース料を費用として処理するのが一般的です。

 

リース会計
リース会計

リース資産と負債を貸借対照表にオンバランスする作業は簡単です。その時点のリース支払総額を資産と負債に同額載せるだけです。

純資産額が変わるわけではありません。

 

但し、事業計画に反映させるのはちょっと厄介です。

事業計画の期間内にリース期間満了となるケースの取扱いを決めないといけません。一般にリース期間が満了すると、返却するか、再リースするか、残価で買い取るかの3択ですが、将来のことなのではっきりしません。

何かの基準を決めて、試算することになります。

 

ところで、リース料の総額をリース資産とリース負債として同額計上することに意味が無いような気がします。まぁ、実際に中小企業では、自社にとっての意味はほとんどありません。融資をしている金融機関にとっても同じです。

 

なぜ、リース会計があるのかというと主に投資家にメリットがあるからです。リース資産をオンバランスすることで総資産が増加します。つまり、総資産利益率とか自己資本比率が変わってきます(小さくなる)。

つまり、会社の収益力や健全性をより正確に把握するには、リース会計を使うことが必要というわけです。