都会に住んでいるだろう評論家やコメンテーターさんの想像力を喚起したいのです。
話題になっている安芸高田市は、7月1日現在の人口が2万6236人です。面積は537.7㎢ですから、人口密度は43人/㎢になります。平成の大合併で、今からちょうど20年前の2004年に、旧広島県高田郡にあった吉田町、八千代町、美土里町、高宮町、甲田町、向原町の6町が合併して誕生しました。
安芸高田市の面積を東京に置き換えると、右の地図のようになります。23区から足立区と葛飾区を除いた面積とほぼ同じです。
東京の場合、ここに858万5千人が住んでいます。人口密度は約16,000人/㎢です。安芸高田市と比較すると370倍です。
しかも、昼間人口はもっと多いので、実感とすれば400~500倍でしょう。
安芸高田市は20年前に6町が合併してできています。東京のように交通の便があるわけではないので、通勤通学するとき、週に1度市民病院に行くときなどを除けば、住んでいる町のなかだけが生活圏です。それでも、東京でいえば3~4区分の面積になるのです。
市役所に行く機会なども、年に1回くらいです。たいていの用事は地元の支所で間に合います。支所の窓口では、会計年度任用職員という名称ですが、顔見知りのおばちゃんやおねぇちゃんがパートで対応しています。
安芸高田市の市議会議員は16名で、旧6町からそれぞれ2~3人が選ばれています。ひとつの町の規模は平均人口4000人余りです。
少しの想像力を働かせて、あなたの住んでいる区と隣接する2~3区に4000人だけがまばらに住んでいる光景を思い浮かべてみましょう。 この4000人の住民の意向を市の行政に反映させることが、2人か3人の議員の重要な役割です。議員といっても、町の世話好きなおじさんやおばさんです。