博物館(美術館、動物園、植物園なども含む)で、300円とか500円の入館料は廃止したらどうだろうか?
仮に年間入館者数5万人(山口県立博物館くらい)で300円の入館料(山口県立博物館の常設展は一般150円、学生100円)を収受していた場合、最大で年間1500万円の収入です。実際は各種割引制度もあって(山口県立博物館では、18歳以下と70歳以上、身障者、生活保護受給者などは無料。教育文化週間も無料)、収入はこれより低いでしょう。
入館料を適切に収受するには、受付に人を配置しなければなりません。
チケットをつくり、場合によっては券売機を置いたりします。
つまり、入館料を収受するためのコストがかかりますから、実収入は小さくなります。
下関市立水族館(海響館)など、入館料が2000円を超えて、年間60~80万人が入館して年間収入が10億円超という施設もありますが、多くの公立博物館は入館料では経営が成り立っていません。(海響館も入館料収入で全ての経費が賄えるわけでもありません。)
公立博物館の存在意義は、事業収入を得る ことではなく、県民市民への文化的な便益を与えることにあります。そう考えれば、少額の入場料をなくして、訪問者数を増やすことのほうが、総合的なコストパフォーマンスが向上しそうです。
また、文化的な便益を最も強く受けるのは、子どもたちです。政府の少子化対策、子ども子育て支援予算は4~5兆円という規模ですから、この予算を公立博物館無料化に使うのは効果があると思います。
そのときに肝心なことは、区分けをしないで全ての入館者を無料にすることです。ちまちましたルールをつくると、それにコストがかかります。だれでもが、気軽に、何度でも訪問できるようにするのです。