奇抜な形の建物は後悔の素になる

バブル期の1990年代前半に建てられた建物には、少し奇抜なデザインのものがあります。

 

これらの建物では、30年が過ぎて雨漏りなどのトラブルがみられるものがあります。少し前ですが訪問した建物が典型的でした。この建物の基礎は曲線的につくられていて、壁や窓も丸みを帯びています。屋根の形も左右非対称で、ちょっと尖塔をイメージした意匠です。

オシャレな外観ですが、雨漏りは結構酷い状態です。管理されている人は、直してもきりがないので、もうあきらめているそうです。

 

雨漏り
雨漏り

偶然、訪問した日が強い雨だったので、雨漏りがよくわかったのですが、晴れた日ならあまり気づかなかったかもしれません。

お客さんも来られる建物なので、天井や壁の雨漏り跡は都度都度補修して、目立たないようにしているそうです。ただ、根本原因を絶てていないのです。

 

この建物の場合、雨漏りは建物が竣工してからあまり時間がたたないうちに始まったそうです。年々酷くなっているといわれました。

そうであれば、建物の完成引き渡しに際しての検査に課題があります。

 

それなりの規模の建物であれば、きちんと完成検査をして、不具合があるようなら引き渡しを拒否するべきでした。また、さかのぼって、建設中もしっかりチェックをして、雑な工事になっていないことを確かめなければなりませんでした。

 

そして、さらにさかのぼって、設計です。どうも、この建物の外観デザインは施主側が要求して指示をしたということです。建築会社側は奇抜なデザインは施工しにくく、雨漏り以外にも様々なリスクを抱えているので、デザイン変更を提案したようです。しかし、それでも施主側はバブル期でイケイケだったので、デザインについて譲らなかったということです。

 

建物には限りませんが、やはり外観ではなく本質機能ですね。