何度も恐縮ですが、ドラッグストアの出店が止まりません。
宇部市や山口県だけの傾向ではなく、日本全体の傾向です。2023年の主要業態の商業販売額をみると、ドラッグストアの販売額は8兆3438億円です。しかも年率8.2%も伸びていますから、ドラッグストアの販売額がコンビニ(販売額12兆7321億円)を超えるのには、計算上では10年程しかかかりません。
過去のブログです。
☞ 2018/09/19「ドラッグストアはこのまま増えていくか?」
このブログでは、宇部市のドラッグストアはそろそろ飽和状態になってきているのではないか? 10年毎に2倍になるという成長スピードは緩やかになるのではないかという観測を書いています。
☞ 2024/05/11「ドラッグストアはまだまだ増えていくのだろう」
このブログでは、前回の観測が誤りだったことを書いています。2018年以降も宇部市にはドラッグストアが増え続けています。市内の商業販売額のどれ程を占めるのかは不明ですが、規模も内容も充実の一途です。
宇部市内でもっとも目にするのは、ピンク色のコスモス薬品です。全社の年間売上高は9100億円、経常利益332億円を予想しています。直近12か月間に125店舗を新規開店(7店舗が閉店)して、5月末の店舗数は1490店舗です。
コスモス薬品は徹底したローコストオペレーションを進めて「安くて。近くて、便利なドラッグストア」を目指します。出店戦略の大きな特徴は、既にコスモスの店舗がある同一商圏にも新規出店することです。
宇部駅周辺では直径2㎞くらいの円内にコスモスが4店舗あります。他にモリ、岩崎、ウォンツ、ダイレックスが各1店舗。商圏人口は4万人くらいです。
当然、コスモスの店舗どうしで競合するので、経営的には不利なように思います。大いに疑問ですよね?
ところが、同じエリアに2店舗・3店舗あることは配送コストの低減効果が見込めます。また、広告チラシも同一エリアに複数店舗分を配布できるので効果的です。
さらに、ほんの狭い範囲にコスモスが何店舗もあれば、他のドラッグストアチェーンは出店しようとなかなか決断できません。
ドラッグストアが高密度で出店している商圏では、異なる業態であるコンビニも苦戦しているようです。ドラッグストアは、コンビニと比較して圧倒的にロープライスであること。コンビニの売り物であった便利さでもほぼ同レベルにあること。また、結構大きな要素だと思うのですが、トイレが綺麗で使いやすいこと。などコンビニを追い込んでいます。
少なくとも宇部市のような地方都市では、ドラッグストアはまだまだ、どんどん増えていきそうです。どこに限界があるのか、ちょっとわかりません。