経営者は会社という船の「舵を取る」のですが、大事なのは「前進」させるのか「停止」または「後進」させるかの判断です。
船を目的地に走らせるときに、潮流や天候によってルートを外れることがあります。その船の舵を取って目的地に向かうように修正するのですが、ときにはどこかの入り江に避難したり、現在地に碇を降ろして停泊したり、急な障害物に行く手を阻まれたら後進したりしなければなりません。ただ一点、目標だけを見つめていると危険です。
人にとって海は大きなリスクです。たいていの人は海の中では長い時間生きていることができません。
会社という船が浮かんでいるビジネスの海にも危険がいっぱいあります。船が損傷すると乗組員や船客に大きなリスクを負わせることになります。
船長である社長は、舵取りが上手なだけでは立派な経営者にはなれません。必要なときには、瞬時に止める、下がる、逃れるという判断ができなければなりません。
但し、船を進めることは容易でも、止めたり下がったりする判断は難しいです。目的地に到着する時間が遅れるのも困りますし、他社に出し抜かれては残念です。
そこで、社長一人が判断する自律的な意思決定に加えて、経験豊富な人、専門分野に詳しい人、顧客情報に精通している人など、プロフェッショナルな人材を周りに配置して、意見を聞くことが必要になります。
最終的な判断は社長の全権ですが、独りよがりにならないことが、サステナブルな経営の本質でしょう。