カーボンニュートラルにはディスポーザー普及の効果が大きい

日本ではディスポーザーはほとんど普及していません。カーボンニュートラル達成には、早急な普及率の向上が求められます。

 

ディスポーザーは、台所の排水口に取り付けます。生ゴミを排水口から投入すると細かく粉砕して水道水とともに下水に排出されます。アメリカでは、1927年に発売が開始されて、全米普及率は45%、都市部では90%を超えています。日本でディスポーザーが普及しない理由は、地方自治体が規制をしているからですが、その理由は判然としません。

 

国交省「ディスポーザー導入効果(2023.5)」にリンク
国交省「ディスポーザー導入効果(2023.5)」にリンク

ディスポーザーの導入はカーボンニュートラルやSDGsに大いに貢献します。

 

現在、下水処理場でのバイオマス利活用が進められています。

しかし、下水処理場への有機物の流入量は年々減っています。海がきれいになり過ぎて漁業に影響が出ており、処理能力を意図的に落としています。こうした下水処理場の余剰能力を活用するのは合理的です。家庭や飲食店からの粉砕された塵芥の流入はバイオマスエネルギーの回収に大いに貢献します。

 

現在、台所からの塵芥は可燃ごみとしてごみ焼却場で処理されています。

台所ごみは実はほとんどが水分ですから燃えません。ごみ焼却場では、これを処理するために燃料を投入して温室効果ガスを排出しています。台所ごみの処理を焼却場から下水処理場に移すことは二重のメリットがあります。

 

住民にとっても、ゴミ出しの負担が軽減し、家庭内の衛生状況も改善されます。高齢一人暮らしなどでは、よりメリットが大きいです。

 

ディスポーザーの普及を妨害しているのは、唯一自治体による規制です。地方自治体の多くはディスポーザーの設置を認めていません。

世界一の大都会・東京でもディスポーザーの普及率が低いのは、東京都が単体ディスポーザーの設置を規制しており、マンションなど排水処理システムを後段に取り付けたものしか認めていないからです。ディスポーザーの性能が向上した現在では、時代遅れに思えます。

 

ディスポーザーの使用に、何となく違和感や罪悪感を感じる人もいるかも知れません。

しかし、水洗トイレの使用を拒んでいる家庭は無いと思います。理屈から言えば、今の日本の台所は汲み取り便所のままになっています。