企業はネイチャーポジティブへの貢献を目指そう

環境経営では次々に新しい用語が使われるようになります。ついていくのは大変です。

 

「ネイチャーポジティブ」です。ネイチャーポジティブは、日本語では「自然再興」というそうです。これまでは「生物多様性の維持」を目標としていたのですが、生物多様性(自然資本)は既に失われてきているのだから、維持ではなく「再興=回復とか復活」させなければならないということです。ネイチャーポジティブ経済への移行を目指します。

 

自然資本の劣化
自然資本の劣化

一次産業(農林水産業)に限らず、あらゆる産業は自然に依存しています。

うちはサービス業だから自然とは関係ないと思っても、サプライチェーンを通して自然資本を消費しています。

また、あなたの事業がどこかでネガティブな影響を知らず知らずのうちに与えている可能性がないでしょうか?

 

環境省の資料に例示があります。

植物が結実するには受粉が必要です。花粉を運ぶものは大別すると動物と風ですが、3/4は動物です。

動物の大部分は昆虫です。昆虫が日本の農業に与える経済価値は野生昆虫に限っても1年間に3300億円だそうです。養蜂のハチなどを含めると4700億円です。(2016年の調査)

 

農薬の過剰散布や外来生物の侵入などによって昆虫の種類や数が減っています。また、日本のハチミツの自給率は5%ほどで、輸入に頼っています。国内の養蜂業によるハチミツ生産は横ばいあるいは微減の傾向です。

 

 

日本の耕種農業の付加価値の8%を産み出す送粉昆虫の数を減らさない、あるいは積極的に増やす「ネイチャーポジティブ」な活動も大事です。