今日は「環境の日」。国連では「世界環境デー」です。
6月5日を環境の日としているのは、「国連人間環境会議」がストックホルムで1972年6月5日に開催されたことを記念しています。実に52年も前のことです。この当時は、日本でも世界でも環境保護の必要性についての明確な考え方が確立されていませんでした。国連人間環境会議は、国連がその役割を果たし得た画期的な会議の一つです。
国連人間環境会議で採択されたのが「人間環境宣言」です。7節の前文と26原則を含む本文から構成されています。
前文の第1節は、”人は環境の創造物であると同時に、環境の形成者である”とはじまります。そして、”地球上での人類の苦難にみちた長い進化の過程で、人は、科学技術の加速度的な進歩により、自らの環境を無数の方法と前例のない規模で変化させる力を得る段階に達した”と言います。
この当時、日本でも世界の先進国でも、公害問題は熾烈であり、甚大な健康被害をもたらしていました。しかし、どこかに誇らしい科学技術の進歩のネガティブな側面であり、仕方がないという諦めも感じられます。
前文の第7節の締めくくりは、”国連人間環境会議は、各国政府と国民に対し、人類とその子孫のため、人間環境の保全と改善を目指して、共通の努力をすることを要請する”です。今考えれば、かなり物足らない印象ですが、これでも当時としては画期的な第一歩だったのです。
26原則を全て紹介できません。
第1原則は、” 人は、尊厳と福祉を保つに足る環境で、自由、平等および十分な生活水準を享受する基本的権利を有するとともに、現在および将来の世代のため環境を保護し改善する厳粛な責任を負う”ではじまります。
この当時において、重要なのは第6原則です。”生態系に重大または回復できない損害を与えないため、有害物質その他の物質の排出および熱の放出を、それらを無害にする環境の能力を超えるような量や濃度で行うことは、停止しなければならない。環境汚染に対するすべての国の人々の正当な闘争は支持されなければならない”
ちょっと、時代の雰囲気が伝わります。