事業継続計画(BCP)のよくある誤解について書きます。
事業継続計画(BCP)のB(Business)は経営を意味します。事業という用語からは、営業とか取引とか業務といったニュアンスが感じられるのですが、少し違います。事業継続計画はあくまでも、その組織や団体の経営が継続できるような計画となります。
不測の事態に襲われて、会社の機能が喪失した場合に、どう経営を継続するのかを予め考えておくことは大事です。
会社の機能には、有形のものとして、ヒト・モノ・カネ・ジョウホウがあります。無形のものには、ブランド・ノウハウなどもあります。
有形の機能の一部あるいは大半が失われた場合に経営を継続するには、それまで実行していた事業や業務を放棄することが有効な場合もあります。例えば、発災後に事業や業務に関われる人材が減ると想定された場合、A事業を放棄してB事業を継続させるといった場合です。
モノ(設備や建物)でも、自然災害に備えて強靭化を図るといっても、全てを完璧に実行できるわけではありません。優先順位をつけて実行するしかないのですが、その場合に言葉は悪いですが、ここは被害を受けたら放棄すると決めて対策をとらないというのもあり得ます。
ヒトの生命安全、会社のブランドや信用は絶対に守るべき機能ですが、それ以外の機能にはメリハリをつける必要があります。