台湾有事が身近に迫っているという認識は正しいように思います。
中国は事実上、中国共産党による独裁国家で、指導者である習近平国家主席が自分の時代に台湾統一すると明言しています。その際に軍事力を行使することを否定していないわけですから、そんな無茶なことはおこらないと楽観するのは、どうかしています。
ロシアの独裁者プーチンといえども、隣国ウクライナの首都キーウにミサイル打ち込むなんてしないだろうと、根拠なく信じていたことを省みましょう。
台湾は中国が安全保障上の対米防衛線としている第一列島線の内側にあります。一応、沖縄本島は列島線の外側にありますが、尖閣諸島は明確に内側になります。
中国が台湾に軍事侵攻するという意思は明確にあり、今は思いとどまっている、あるいは時機を見ているという段階です。
台湾への軍事侵攻する際は、少なくとも尖閣諸島は同時に対象になります。台湾有事は日本有事でもあります。
中国による台湾軍事侵攻は、ロシアのウクライナ軍事侵攻とは桁外れの影響を世界に与えます。
中国は世界GDPの16.5%を占める超大国です。ロシアは面積こそ世界一ですが、GDPでは世界の1.5%に過ぎません。
同じく、台湾は小さな島国ですがGDPでは世界の0.7%を占め、半導体産業では世界の30%を担います。鉱業や農業など第一次産業を中心に世界GDPの0.15%だったウクライナより、言葉は悪いですが世界ではるかに重要な国です。尚、台湾の半導体産業の強さが「シリコンの盾」となって、台湾を守るというのは幻想に過ぎないでしょう。
台湾有事は軍事的な直接影響は、日本やフィリピンなどの周辺国に留まると思います。しかし、経済的には地球規模に壊滅的な危機をもたらすことになります。中国の独裁者がどの程度正気を保っていられるものなのかは、誰にも分りません。