政治資金規正というのがニュースを賑わせていますが、本質とはかけ離れています。
国民は政治資金の理想像をどのように考えているのでしょうか?政党や議員が秘書や事務員を雇用したり、事務所を保有したり、政策を調査するのに資金が必要であることを否定することはできません。その使い方について異議があるかないかは別として、支出があることは確かです。したがって、それに見合う収入が必要です。
2022年度の各政党本部の収入内訳です。
白色のその他はほとんど立法事務費と供託金返還金なので、政党交付金の水色と合わせて国民一般からの収入です。
政治資金の議論の根本には、「政党や政治団体の政治的活動は資金を提供する特定集団の意向に従う」という仮説があります。
各政党の収入内訳で特徴的なのは、共産党です。政党交付金を受け取らず、ほぼ全ての収入が事業収入(機関紙赤旗)です。共産党は赤旗を購読している約85万人の意向にだけ従うということでしょうか?
公明党は政党交付金は受け取っていますが、共産党と同様に事業収入の割合が高いです。公明新聞(聖教新聞と一緒に配られる)を購読している人の意向に従うということですかね?
立憲民主党と国民民主党は政治資金のほぼ全てを国民一般からの収入で賄っており、その他の収入源を持たないとなっています。
両党が広く国民の意見を代表していると言えるのか、自動的に入ってくる資金の範囲で運営されているので、国民の意見を聞くこともないと残念に思うのかは意見の分かれるところです。
さて、自民党ですが資金の8割以上は政党交付金等ですが、約1割(24.5億円)が寄付です。
この寄付はほぼ全てが国民政治協会からのものです。国民政治協会はいわゆる企業団体献金を一旦集める機能で、集めた献金はそのまま自民党に渡ります。
献金している企業は、大手メーカー、ゼネコン、サービス、商社などで、団体は各業界団体です。金額が大きいのは、日本医師連盟200百万円(以下、数字は百万円)、日本自動車工業会78、日本鉄鋼連盟60、石油連盟50などの業界団体です。
大手企業では、トヨタ50、キャノン40,日立製作所35,野村HD35,三菱重工33、大和証券32,東レ30,パナソニック28.5、日本製鉄27などです。尚、四大商社は各28、三メガバンクは各20、ゼネコン各社は各18で統一しています。
まぁ、ぶっちゃけた話で言えばちゃちな金額です。 日本を代表する大企業が、大谷翔平選手の日給分を献金して、政府に影響を与えられると思うでしょうかね?