志の輔さんはしばしば旅の思い出をまくらに使います。
ラスベガスにショーを観に出掛けたところ、泊まったホテルにもカジノがありました。綺麗な器械に20ドル札を入れたら、いきなりランプが点滅を初めて、コインがザラザラと留めなく出てきます。とことん大慌てです。すわ、いきなりの大当たりと喜んだら、ゲーム機用のクォーターコインの両替機だった・・といったお話です。
オーストラリアに行ったときのこと、現地の日本人ガイドさん曰く「有名なフィリップ島のペンギンパレードは人気でね、日本人のお客さんを片道3時間かけてお連れするんです。でもね、広告のようなペンギンパレードは滅多にみられないんです。そしたら、帰りのクルマの中で年輩のお客さんが『なぁ、かあちゃん。オーストラリアではペンギンが三匹歩いていたらパレードって言うんかいな』なんて言うんです。」って。
その後、志の輔さんもフィリップ島に行く機会がありました。帰りのクルマのなかで、同行していた子供さんに 『なぁ、オーストラリアではペンギンが五匹歩いていたらパレードって言うんだな』って声を掛けたのはいうまでもありません。
ペンギンがパレードをしない理由はいろいろですが、カモメの存在もその一つです。
ペンギンの天敵はアザラシなどの海獣です。カモメは成長したペンギンを襲うことはできません。カモメの狙うのは、ペンギンの親が大事に温めているタマゴか、生まれたばかりの小さなヒナです。ペンギンはタマゴやヒナを守らなければならないときには、大勢でパレードをせずに小さなグループで動くということです。
ペンギンの最大の特徴は飛べない鳥だということ。そして泳げる鳥だということ。
ペンギンという鳥にとって飛べないことのデメリットは大きいですが、泳げる鳥だというメリットもまた大きいのです。
「カモメになったペンギン」という、リーダーシップ論や変革の8段階を唱えるコッターの本があります。 実際のペンギンも、いつかカモメになって空を飛びたいと思っているのかな?
渡辺真知子の「かもめが翔んだ日」という名曲があります。歌に描かれているカモメはちょっと孤独です。
♫ かもめが翔んだ かもめが翔んだ あなたはひとりで 生きられるのね ♪
やっぱり、ペンギンはカモメにはならないのかもしれませんね。