相変わらず隣の国々からの物騒なニュースが入ってきますが、みんな慣れてきたようです。
少し前なら大騒ぎしていたようなニュースも、こんなに度重なると慣れてしまって話題にならなくなっています。危機が間近に迫っていても、人々の正常性バイアス※は強靭です。
※ 自分にとって都合の悪い情報を無視したり過小評価したりするという認知の特性のこと。
【NHK】北朝鮮は、キム・ジョンウン総書記の立ち会いのもと、ロケット砲の発射実験を10日に実施したと発表しました。砲弾は新たに設立した軍需企業で生産したとされ、韓国メディアはロシアへの武器輸出も念頭にした動きだとの見方を伝えています。
既にウクライナの戦場で北朝鮮製の弾道ミサイルや砲弾が多数使われています。
ロシアの後ろ盾を得て、北朝鮮の軍需産業が急速に力をつけていくことになります。
今日も、キム総書記は兵器工場の視察に出掛けて、盛大にはっぱをかけたそうです。この兵器が極東で使われる懸念があることを無視することはできません。
北朝鮮のGDPは日本円で3.6兆円程度とされていますが、この8~9%に当たる約3000億円を軍事費と核開発に使っているといわれます。実験なのか威嚇なのか日本海に長距離弾道ミサイルを発射を繰り返していますが、1回の発射に10億円以上かかるそうです。
北朝鮮はロシアにミサイルや弾薬を輸出して外貨を稼いでいます。
北朝鮮からの輸出品は、兵器以外のものでも人権侵害の問題があります。衣服など繊維製品は教化所の女性受刑者が厳しい監視の下でつくっており、炭鉱で働くのも幼い少年たちです。
国連によるきちんとした経済制裁が必要な大きな理由です。
しかし、常任理事国であるロシア(消極的賛成の中国も含め)が、北朝鮮を完全に守るようになったことで、国連の経済制裁は無力化しています。
北朝鮮は制裁が弛んでいる隙をついて、サイバー攻撃の技術をブラッシュアップしています。日経新聞の記事では、暗号資産の奪取などサイバー攻撃で北朝鮮が得た収益は、直近の1年間で4500億円とあります。
そもそも怖いことですが、みんなが気にしなくなってきたことが、もっと怖いです。
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