カネを落とさず、ゴミだけ残す。と言われないように

NHKテレビで「日本百名山」をやっていました。GWが終わって梅雨入りまでは、登山には絶好の時期です。

 

コロナ禍の騒動が収まって、登山人気は復活の兆しです。たくさんの登山者が訪れて、登山基地になる麓の集落は賑わっています。たいへん結構なことですが、登山者は一般の観光客や登山以外のレジャーを楽しむ人と比べて、地域にカネを落とさないという批判があるようです。それどころか、いろいろな迷惑をかける場合さえ少なくありません。

 

低山
低山

私などが山に行っていた頃も、思い返せば地域にはお金を落とすことは、ほとんどありませんでした。

 

山に持っていくものは、食料などを含めて全て出発地で調達して、パッキングします。テントも衣服も寝袋も燃料も何もかも自前で持っていきます。

よく登山者はカネを落とさず、ゴミだけ残すと言われるのももっともです。

 

考えてみれば、登山道を整備したり、事故が起きないように標識をつくったり、パトロールをしたり、登山者が自然を楽しむためには大きな社会的なコストがかかります。トイレ問題もあって、山中にバイオトイレが設置されているところも増えているそうです。

 

そこで、近年ではテント場使用料を値上したり、入山料を新設したりしています。トイレも有料化されたりしています。実際に罹っているコストと、登山者が自然から受け取っている便益を考えると、負担をもっと増やすことは必要なんだと思います。 

日本の登山人口は約500万人ですから、一人が500円負担すれば25億円になります。

 

なお、日本の山岳遭難は年間3500件です。もし1件の救助活動に100万円かかるとすれば、費用は35億円です。安全第一で、無理な登山はやめましょうね。