日本の外食は安くて美味しいと、海外からの旅行者に人気が高まっています。
テレビなどでも、安くて美味しい(+ボリュームたっぷり)の外食が盛んに紹介されています。それは、それで良いことなんですが少し気になることがあります。初めて入ったお店で焼きそばを注文したら、偶然つくっているところが目に入りました。すると、ちょっと驚くくらいうま味調味料を入れています。
このお店の焼きそばが、安くて美味しいというのは、間違いありません。ただ、家庭で焼きそばをつくるなら、こんなに調味料を入れるのは少し抵抗があります。
うま味調味料のうま味とは、グルタミン酸を主成分とします。
これは、昆布やかつお節などのうま味成分を溶けやすく、使いやすくしたもので、さとうきびの糖蜜やいも類のでんぷん由来の糖を発酵させて作られています。
自然由来のもので、人体へ悪い影響を与えるものではなく、安心して使えます。あまりに多量に摂取することがいけないのは、食塩や砂糖などを取り過ぎてはいけないのと同じです。
グルタミン酸がうま味成分であることを発見したのは池田菊苗博士で1908年のことです。翌年には鈴木商店から「味の素」として商品化されています。グルタミン酸を安定させるためにナトリウム塩のかたちになっています。
現在の日本では、グルタミン酸ナトリウムが年間10万トン余りつくられ、8.5万トンほどが食品用に使われています。外食産業、とりわけファーストフード店の活性化に沿って、使用量は増加していくようです。
グルタミン酸ナトリウムの生産量増加の傾向は日本だけでなく、世界のトレンドです。
30年ほど前まで、グルタミン酸ナトリウムの世界生産トップは日本だったのですが、現在は大きく様変わりしています。現在の世界生産はなんと350万トンで、中国には年産100万トン級の会社が2社、70万トン級が1社あるそうです。また、日本で生産されるグルタミン酸ナトリウムも、素原料は輸入品が多くなっています。
世界のどこでも、うま味があって美味しいものが安く食べられ、健康にも問題がないのですから、何も問題は無いのですが、あまり画一化してしまうのも、ちょっと残念な気もします。
まぁ、実は塩も砂糖も、昔は土地土地で食味が違っていたのですが、今は世界中どこでも穴時になっています。