蒸気ボイラーの省エネについて質問があったので、ちょっとまとめておきます。
ボイラーとは、水を燃料の燃焼によって加熱して、蒸気あるいは温水をつくる機械です。空調あるいは給湯に使われるのが最もポピュラーです。
ボイラーの分類は、使用する燃料によるもの(ガス焚き・油焚き)、生産物によるもの(蒸気ボイラ・温水ボイラ)、用途によるもの(空調用ボイラ・給湯用ボイラ)などがあります。
また、ボイラの構造による分類もあります。よく使われるのは、水管ボイラ(貫流ボイラなど)と丸ボイラ(炉筒煙管ボイラなど)です。このなかでは、小型貫流ボイラがとても広く使われています。
さて、ボイラの省エネです。基本の考え方は、生産物である蒸気あるいは温水以外の熱損失を減らすこと、逆に燃料以外の入熱を増やすことになります。
熱損失には、排ガス損失・放熱・ブローの3種があります。
排ガスの熱損失はエコノマイザーを設置して給水予熱に使うのが一般的です。
放熱を減らすには、保温の強化ですが、近年は性能の高い保温材が発売されています。
ブロー量を減らす、あるいは回収すること、スチームトラップの性能を高めることも省エネに有効です。
入熱側の対策では、空気比を下げることが一般的な対策です。
このほか、複数台のボイラーを使用している場合には運転台数のコントロールをする。蒸気圧力を見直して、できれば下げる。ポンプやファンなどボイラーの補機類の運転条件を見直す。蒸気配管を出来るだけ真っすぐ設置し、且つ短くする。などが考えられます。