「ゴジラ-1.0」がアカデミー賞の視覚効果賞を受賞したというニュースです。
ゴジラの第1作は1954年に公開されていますから、ちょうど70年目になります。私たちでも生まれていないので、随分と古い話です。いくつかは映画館で観た記憶がありますが、印象に残っているのは「ゴジラ対ヘドラ」でしょうか? 調べてみると、第11作に当たり1971年の公開ですから、小学生のときに観たようです。
ゴジラ対ヘドラが衝撃的だったのは、ゴジラが空を飛んだからです。
口から放射能を吐き出しながら、身体を丸めたゴジラが後ろ向きのまま空を飛びます。なぜか、ヘドラも空を飛べるので、空中で衝突して落ちてくるという不可思議なシーンがありました。
さて、ゴジラの原作者は香山滋です。高木彬光や山田風太郎などと並ぶ、昭和の探偵小説家です。1904年生まれなので、ゴジラは49歳の時の作品になります。
香山滋は生前に、「怪獣ゴジラ」について「原爆・水爆の禁止運動のひとつとして、小説の形式で参加した」と語っています。ゴジラは、社会批評としての側面を持って誕生したわけです。
ゴジラ誕生のもう一つの側面は、香山滋が旧制中学時代から、恐竜化石など広く地質古生物学に興味を持って研究していたことです。怪獣ゴジラのデザインは国立科学博物館にある恐竜の模型を原型にしたことが知られています。
今回のゴジラ-1.0は、日本で製作されたゴジラ映画としては第30作になるそうです。ゴジラは。初代の怪獣ゴジラから、死んでも死んでも蘇ってきています。70年の長きにわたるゴジラの系譜はまだまだ続きそうです。ちょっと不謹慎ですが、万世一系の皇統のようなものだと言われた方があり、全くその通りと思います。
ゴジラが怪獣映画界の天皇として、末長く愛されることに期待しています。