地球の大気はリンゴに巻いたサランラップほどしかない

脱炭素経営についてのセミナーで、地球の大気は意外に薄っぺらいというお話をしました。

 

☞ 2023/07/01 海は意外に浅く、空は意外に薄い

地球の直径は約1万3千kmですから、海の深さの4kmも、空の高さの8㎞もすごく薄っぺらいものとわかります。仮に直径13センチ(1300㎜)の大きめのリンゴを想像してみてください。大気の厚みは0.8㎜に相当しますから、サランラップの厚みにも足りません。

 

リンゴをラップでつつむ
リンゴをラップでつつむ

というわけで、ちょっと大気の量を計算してみましょう。

 

 地球の円周は4万㎞です。極から赤道までの長さの1000万分の1を1mと定義したので、こうなりました。

円周率で割って直径が1.27万㎞。半径は0.64万㎞。

表面積は4×0.64×0.64×円周率で約5億㎢となります。

 

大気の厚みをざっくり10㎞とすると、地球上の空気の量は約50億㎦となります。

空気の密度は地上では1.29㎏/㎥=129万トン/㎦※ですが、上空5㎞では0.74㎏/㎥=74万トン/㎦です。これを採用すると50億㎦の空気の重さは3700兆トンとなります。

※1㎦は1000m×1000m×1000m=10億㎥です。

1.29㎏/㎥=12.9億㎏/㎦=129万トン/㎦となります。

 

大気の組成は、78%が窒素、21%が酸素、残り1%が諸々です。二酸化炭素濃度を400ppm=0.04%として、密度補正(二酸化炭素の密度1.98㎏/㎥)して概算すると、大気中の二酸化炭素の総量は約2.3兆トンになります。

気象庁のデータでは、昨年、大気中の二酸化炭素濃度は2.2ppm=0.0022%増えています。地球全体が同じとすれば、二酸化炭素量として約150億トン増えたことになります。

 

2020年に世界の二酸化炭素排出量は314億トンと推定されています。

この差分の164億トンが海や森林などに吸収された計算です。地球が持っている浄化能力というわけですが、だいぶ不足していることがわかります。